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# XRP Ledger APIの使用開始
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`rippled`サーバーに対してコマンドを実行するには、接続先のサーバーをあらかじめ把握しておく必要があります。大多数のサーバーは、外部ネットワークからの直接のAPI要求を受け入れないよう設定されています。
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別の方法として、[`rippled`の独自のローカルコピーを運用](install-rippled.html)することもできます。[管理用のメソッド](admin-rippled-methods.html)のいずれかにアクセスする場合、これは必須です。この場合、サーバーのバインド用として設定したIPアドレスとポートを使用する必要があります(例えば`127.0.0.1:54321`)。また、管理機能にアクセスするには、構成ファイルで管理用としてマークされているポートおよびIPアドレスから接続しなければなりません。
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[構成ファイルの例](https://github.com/ripple/rippled/blob/8429dd67e60ba360da591bfa905b58a35638fda1/cfg/rippled-example.cfg#L1050-L1073)では、ローカルループバックネットワーク上(127.0.0.1)のポート5005でJSON-RPC(HTTP)、ポート6006でWebSocket(WS)の接続をリッスンし、接続されるすべてのクライアントを管理者として扱っています。
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## WebSocket API
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いくつかのメソッドをXRP Ledgerで試すことを予定している場合は、独自のWebSocketコードを記述することなく、[Ripple WebSocket APIツール](websocket-api-tool.html)でAPIをすぐに使用できます。後ほど、独自の`rippled`サーバーへの接続が必要となった時点で、[ブラウザー](https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/API/WebSockets_API/Writing_WebSocket_client_applications)または[Node.jsで独自のクライアントをビルド](https://www.npmjs.com/package/ws)することが可能です。
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### 要求フォーマット
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`rippled`サーバーへのWebSocketを開いた後、以下の属性を使用して、コマンドを[JSON](https://en.wikipedia.org/wiki/JSON)オブジェクトとして送信できます。
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* コマンド名を最上位の`"command"`フィールドに記述します。
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* コマンドのすべての関連パラメーターも最上位に記述します。
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* 任意の値を指定して`"id"`フィールドを記述します(省略可)。この要求への応答では、同一の`"id"`フィールドを使用します。そうすることで、応答が順不同で到達した場合も、どの要求によってどの応答を得られたのかがわかります。
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応答はJSONオブジェクトとして返されます。
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### 公開サーバー
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現在、Ripple社は以下の一連の公開WebSocketサーバーを運用しています。
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| `Domain` | ポート | 注記 |
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|:----------------|:-----|:--------------------------------------|
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| `s1.ripple.com` | 443 | `wss://`のみ。汎用サーバー |
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| `s2.ripple.com` | 443 | `wss://`のみ。すべての履歴が記録されるサーバー |
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これらの公開サーバーは継続的な使用やビジネスでの使用を想定したものではなく、いつでも使用不可となる可能性があります。日常的な使用については、独自の`rippled`サーバーを自社で運用するか、信頼できる事業者と運用委託契約を締結します。
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## JSON-RPC
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任意のHTTPクライアント([RESTED for Firefox](https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/rested/)や[Postman for Chrome](https://chrome.google.com/webstore/detail/postman/fhbjgbiflinjbdggehcddcbncdddomop?hl=en)など)を使用して、JSON-RPCで`rippled`サーバーを呼び出すことができます。ほとんどのプログラミング言語には、HTTP要求を組み込むためのライブラリーが用意されています。
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### 要求フォーマット
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JSON-RPC要求を作成するには、`rippled`サーバーがJSON-RPC接続をリッスンしているポートおよびIPアドレス上で、HTTP **POST**要求をルートパス(`/`)に送信します。HTTP/1.0またはHTTP/1.1を使用できます。HTTPSを使用する場合は、TLS v1.2を使用してください。セキュリティーの維持を理由として、`rippled` _は_ SSL v3以前をサポートしていません。
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値を`application/json`として、`Content-Type`ヘッダーを常に記述してください。
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複数の要求を作成することを予定している場合は、要求ごとに接続を閉じて再び開くことなく済むよう、[キープアライブ](http://tools.ietf.org/html/rfc7230#section-6.3)を使用します。
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以下の属性を指定して、要求の本文を[JSON](https://en.wikipedia.org/wiki/JSON)オブジェクトとして送信します。
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* コマンドを最上位の`"method"`フィールドに記述します。
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* 最上位の`"params"`フィールドを記述します。このフィールドの内容は、コマンドのすべてのパラメーターが指定された1つの入れ子JSONオブジェクトのみを保持している**1要素配列**です。
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応答もJSONオブジェクトになります。
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### 公開サーバー
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現在、Ripple社は以下の一連の公開JSON-RPCサーバーを運用しています。
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| `Domain` | ポート | 注記 |
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|:----------------|:------|:-----------------------|
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| `s1.ripple.com` | 51234 | 汎用サーバー |
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| `s2.ripple.com` | 51234 | すべての履歴が記録されるサーバー |
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これらの公開サーバーは継続的な使用やビジネスでの使用を想定したものではなく、いつでも使用不可となる可能性があります。日常的な使用については、独自の`rippled`サーバーを自社で運用するか、信頼できる事業者と運用委託契約を締結します。
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## コマンドライン
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このコマンドラインインターフェイスは、JSON-RPCのものと同一のサービスに接続するため、公開サーバーおよびサーバー構成は同一です。コマンドラインクライアントとして、`rippled`がローカルインスタンスに接続します。例:
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```
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rippled --conf=/etc/rippled.cfg server_info
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```
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**注記:** コマンドラインインターフェイスは、管理の目的でのみ使用されることを想定しています。_サポートされるAPIではありません_。
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### 要求フォーマット
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コマンドラインでは、通常の(先頭にダッシュが付いた)コマンドラインオプションに続けてコマンドを記述した後、一連の限定的なパラメーターを空白文字で区切って記述します。空白文字などの特殊な文字が含まれている可能性があるパラメーター値は、一重引用符で囲みます。
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## 要求の例
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<!-- MULTICODE_BLOCK_START -->
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*WebSocket*
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```
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{
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"id": 2,
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"command": "account_info",
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"account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59",
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"strict": true,
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"ledger_index": "validated"
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}
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```
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*JSON-RPC*
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```
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POST http://s1.ripple.com:51234/
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{
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"method": "account_info",
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||
"params": [
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||
{
|
||
"account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59",
|
||
"strict": true,
|
||
"ledger_index": "validated"
|
||
}
|
||
]
|
||
}
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```
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*コマンドライン*
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```
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rippled account_info r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59 validated true
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```
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<!-- MULTICODE_BLOCK_END -->
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## 応答フォーマット
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### 成功した場合の応答の例
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<!-- MULTICODE_BLOCK_START -->
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*WebSocket*
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```
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{
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"id": 2,
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||
"status": "success",
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||
"type": "response",
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||
"result": {
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||
"account_data": {
|
||
"Account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59",
|
||
"Balance": "27389517749",
|
||
"Flags": 0,
|
||
"LedgerEntryType": "AccountRoot",
|
||
"OwnerCount": 18,
|
||
"PreviousTxnID": "B6B410172C0B65575D89E464AF5B99937CC568822929ABF87DA75CBD11911932",
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||
"PreviousTxnLgrSeq": 6592159,
|
||
"Sequence": 1400,
|
||
"index": "4F83A2CF7E70F77F79A307E6A472BFC2585B806A70833CCD1C26105BAE0D6E05"
|
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},
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"ledger_index": 6760970
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||
}
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||
}
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```
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*JSON-RPC*
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```
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HTTP Status: 200 OK
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{
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"result": {
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"account_data": {
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"Account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59",
|
||
"Balance": "27389517749",
|
||
"Flags": 0,
|
||
"LedgerEntryType": "AccountRoot",
|
||
"OwnerCount": 18,
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||
"PreviousTxnID": "B6B410172C0B65575D89E464AF5B99937CC568822929ABF87DA75CBD11911932",
|
||
"PreviousTxnLgrSeq": 6592159,
|
||
"Sequence": 1400,
|
||
"index": "4F83A2CF7E70F77F79A307E6A472BFC2585B806A70833CCD1C26105BAE0D6E05"
|
||
},
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||
"ledger_index": 6761012,
|
||
"status": "success"
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}
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||
}
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```
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*コマンドライン*
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```
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{
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"result": {
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||
"account_data": {
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"Account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59",
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||
"Balance": "27389517749",
|
||
"Flags": 0,
|
||
"LedgerEntryType": "AccountRoot",
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||
"OwnerCount": 18,
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||
"PreviousTxnID": "B6B410172C0B65575D89E464AF5B99937CC568822929ABF87DA75CBD11911932",
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||
"PreviousTxnLgrSeq": 6592159,
|
||
"Sequence": 1400,
|
||
"index": "4F83A2CF7E70F77F79A307E6A472BFC2585B806A70833CCD1C26105BAE0D6E05"
|
||
},
|
||
"ledger_index": 6761012,
|
||
"status": "success"
|
||
}
|
||
}
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||
```
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||
<!-- MULTICODE_BLOCK_END -->
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成功した場合の応答に含まれているフィールドは、以下のとおりです。
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| `Field` | 型 | 説明 |
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|:----------------|:---------|:------------------------------------------------|
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| `id` | (場合により異なる) | (WebSocketのみ)この応答の要求元となった要求で提供されているID。 |
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| `status` | 文字列 | (WebSocketのみ)値が`success`である場合、要求がサーバーによって正常に受信され、理解されたことを示します。 |
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| `result.status` | 文字列 | (JSON-RPCおよびコマンドライン)値が`success`である場合、要求がサーバーによって正常に受信され、理解されたことを示します。 |
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| `type` | 文字列 | (WebSocketのみ)値が`response`である場合、コマンドに対する正常な応答であることを示します。[非同期の通知](subscribe.html)では、`ledgerClosed`や`transaction`など、異なる値が使用されます。 |
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| `result` | オブジェクト | クエリーの結果。内容はコマンドによって異なります。 |
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### コマンドライン
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コマンドラインのメソッドはJSON-RPCと同一のインターフェイスを使用しているため、応答フォーマットはJSON-RPCの応答と同一です。
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