# XRP Ledger APIの使用開始 XRP Ledgerのコアサーバーソフトウェアは[`rippled`](the-rippled-server.html)です。XRP Ledgerでの開発に進むには、`rippled`サーバーのAPIにアクセスします。 APIにアクセスする最も簡単な方法は、[**WebSocket API Tool**](websocket-api-tool.html)を使用するか、[XRP Ledger Explorer](https://livenet.xrpl.org/)を使用してレジャーの進行状況をその場で確認することです。 [`rippled`の独自のインスタンスを実行](install-rippled.html)したり、[公開サーバー](#公開サーバー)を使用したりすることもできます。 ## 公開サーバー Rippleは、XRP Ledgerコミュニティ向けにいくつかの公開サーバーを提供しています。 | 演算子 | [ネットワーク][] | JSON-RPC URL | WebSocket URL | 注記 | |:----------|:----------|:----------|:----------|:----------| | Ripple | **Mainnet** | `https://s1.ripple.com:51234/` | `wss://s1.ripple.com/` | 汎用サーバークラスター | | Ripple | **Mainnet** | `https://s2.ripple.com:51234/` | `wss://s2.ripple.com/` | [すべての履歴が記録されるサーバー](ledger-history.html#すべての履歴)クラスター | | Ripple | Testnet | `https://s.altnet.rippletest.net:51234/` | `wss://s.altnet.rippletest.net/` | Testnet公開サーバー | | Ripple | Devnet | `https://s.devnet.rippletest.net:51234/` | `wss://s.devnet.rippletest.net/` | Devnet公開サーバー | [ネットワーク]: parallel-networks.html これらの公開サーバーは継続的な使用やビジネスでの使用を想定したものではなく、いつでも使用不可となる可能性があります。日常的な使用については、独自の`rippled`サーバーを自社で運用するか、信頼できる事業者と運用委託契約を締結します。 ## 管理者アクセス権限 `rippled`サーバーの[管理メソッド](admin-rippled-methods.html)を使用するには、次のように行います。この場合、サーバーのバインド用として設定したIPアドレスとポートを使用する必要があります(例えば`127.0.0.1:54321`)。また、管理機能にアクセスするには、構成ファイルで管理用としてマークされているポートおよびIPアドレスから接続しなければなりません。 [構成ファイルの例](https://github.com/ripple/rippled/blob/8429dd67e60ba360da591bfa905b58a35638fda1/cfg/rippled-example.cfg#L1050-L1073)では、ローカルループバックネットワーク上(127.0.0.1)のポート5005でJSON-RPC(HTTP)、ポート6006でWebSocket(WS)の接続をリッスンし、接続されるすべてのクライアントを管理者として扱っています。 ## WebSocket API いくつかのメソッドをXRP Ledgerで試すことを予定している場合は、独自のWebSocketコードを記述することなく、[Ripple WebSocket APIツール](websocket-api-tool.html)でAPIをすぐに使用できます。後ほど、独自の`rippled`サーバーへの接続が必要となった時点で、[ブラウザー](monitor-incoming-payments-with-websocket.html)または[Node.jsで独自のクライアントをビルド](https://www.npmjs.com/package/ws)することが可能です。 ### 要求フォーマット `rippled`サーバーへのWebSocketを開いた後、以下の属性を使用して、コマンドを[JSON](https://en.wikipedia.org/wiki/JSON)オブジェクトとして送信できます。 * コマンド名を最上位の`"command"`フィールドに記述します。 * コマンドのすべての関連パラメーターも最上位に記述します。 * 任意の値を指定して`"id"`フィールドを記述します(省略可)。この要求への応答では、同一の`"id"`フィールドを使用します。そうすることで、応答が順不同で到達した場合も、どの要求によってどの応答を得られたのかがわかります。 応答はJSONオブジェクトとして返されます。 ## JSON-RPC 任意のHTTPクライアント([RESTED for Firefox](https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/rested/)、[Postman for Chrome](https://chrome.google.com/webstore/detail/postman/fhbjgbiflinjbdggehcddcbncdddomop?hl=en)、[Online HTTP client ExtendsClass](https://extendsclass.com/rest-client-online.html)など)を使用して、JSON-RPCで`rippled`サーバーを呼び出すことができます。ほとんどのプログラミング言語には、HTTP要求を組み込むためのライブラリーが用意されています。 ### 要求フォーマット JSON-RPC要求を作成するには、`rippled`サーバーがJSON-RPC接続をリッスンしているポートおよびIPアドレス上で、HTTP **POST**要求をルートパス(`/`)に送信します。HTTP/1.0またはHTTP/1.1を使用できます。HTTPSを使用する場合は、TLS v1.2を使用してください。セキュリティーの維持を理由として、`rippled`はSSL v3以前を _サポートしていません_ 。 値を`application/json`として、`Content-Type`ヘッダーを常に記述してください。 複数の要求を作成することを予定している場合は、要求ごとに接続を閉じて再び開くことなく済むよう、[キープアライブ](http://tools.ietf.org/html/rfc7230#section-6.3)を使用します。 以下の属性を指定して、要求の本文を[JSON](https://en.wikipedia.org/wiki/JSON)オブジェクトとして送信します。 * コマンドを最上位の`"method"`フィールドに記述します。 * 最上位の`"params"`フィールドを記述します。このフィールドの内容は、コマンドのすべてのパラメーターが指定された1つの入れ子JSONオブジェクトのみを保持している**1要素配列**です。 応答もJSONオブジェクトになります。 ## コマンドライン このコマンドラインインターフェイスは、JSON-RPCのものと同一のサービスに接続するため、公開サーバーおよびサーバー構成は同一です。コマンドラインクライアントとして、`rippled`がローカルインスタンスに接続します。例: ``` rippled --conf=/etc/rippled.cfg server_info ``` **注記:** コマンドラインインターフェイスは、管理の目的でのみ使用されることを想定しています。 _サポートされるAPIではありません_。 ### 要求フォーマット コマンドラインでは、通常の(先頭にダッシュが付いた)コマンドラインオプションに続けてコマンドを記述した後、一連の限定的なパラメーターを空白文字で区切って記述します。空白文字などの特殊な文字が含まれている可能性があるパラメーター値は、一重引用符で囲みます。 ## 要求の例 *WebSocket* ``` { "id": 2, "command": "account_info", "account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59", "strict": true, "ledger_index": "validated" } ``` *JSON-RPC* ``` POST http://s1.ripple.com:51234/ { "method": "account_info", "params": [ { "account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59", "strict": true, "ledger_index": "validated" } ] } ``` *コマンドライン* ``` rippled account_info r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59 validated true ``` ## 応答フォーマット ### 成功した場合の応答の例 *WebSocket* ``` { "id": 2, "status": "success", "type": "response", "result": { "account_data": { "Account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59", "Balance": "27389517749", "Flags": 0, "LedgerEntryType": "AccountRoot", "OwnerCount": 18, "PreviousTxnID": "B6B410172C0B65575D89E464AF5B99937CC568822929ABF87DA75CBD11911932", "PreviousTxnLgrSeq": 6592159, "Sequence": 1400, "index": "4F83A2CF7E70F77F79A307E6A472BFC2585B806A70833CCD1C26105BAE0D6E05" }, "ledger_index": 6760970 } } ``` *JSON-RPC* ``` HTTP Status:200 OK { "result": { "account_data": { "Account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59", "Balance": "27389517749", "Flags": 0, "LedgerEntryType": "AccountRoot", "OwnerCount": 18, "PreviousTxnID": "B6B410172C0B65575D89E464AF5B99937CC568822929ABF87DA75CBD11911932", "PreviousTxnLgrSeq": 6592159, "Sequence": 1400, "index": "4F83A2CF7E70F77F79A307E6A472BFC2585B806A70833CCD1C26105BAE0D6E05" }, "ledger_index": 6761012, "status": "success" } } ``` *コマンドライン* ``` { "result": { "account_data": { "Account": "r9cZA1mLK5R5Am25ArfXFmqgNwjZgnfk59", "Balance": "27389517749", "Flags": 0, "LedgerEntryType": "AccountRoot", "OwnerCount": 18, "PreviousTxnID": "B6B410172C0B65575D89E464AF5B99937CC568822929ABF87DA75CBD11911932", "PreviousTxnLgrSeq": 6592159, "Sequence": 1400, "index": "4F83A2CF7E70F77F79A307E6A472BFC2585B806A70833CCD1C26105BAE0D6E05" }, "ledger_index": 6761012, "status": "success" } } ``` 成功した場合の応答に含まれているフィールドは、以下のとおりです。 | `Field` | 型 | 説明 | |:----------|:----------|:----------| | `id` | (場合により異なる) | (WebSocketのみ)この応答の要求元となった要求で提供されているID。 | | `status` | 文字列 | (WebSocketのみ)値が`success`である場合、要求がサーバーによって正常に受信され、理解されたことを示します。 | | `result.status` | 文字列 | (JSON-RPCおよびコマンドライン)値が`success`である場合、要求がサーバーによって正常に受信され、理解されたことを示します。 | | `type` | 文字列 | (WebSocketのみ)値が`response`である場合、コマンドに対する正常な応答であることを示します。[非同期の通知](subscribe.html)では、`ledgerClosed`や`transaction`など異なる値が使用されます。 | | `result` | オブジェクト | クエリーの結果。内容はコマンドによって異なります。 | ### コマンドライン コマンドラインのメソッドはJSON-RPCと同一のインターフェイスを使用しているため、応答フォーマットはJSON-RPCの応答と同一です。 ## 関連項目 - **コンセプト:** - [XRP Ledgerの概要](xrp-ledger-overview.html) - [ソフトウェアエコシステム](software-ecosystem.html) - [並列ネットワーク](parallel-networks.html) - **チュートリアル:** - [RippleAPI for JavaScriptの使用開始](get-started-with-rippleapi-for-javascript.html) - [信頼できるトランザクションの送信](reliable-transaction-submission.html) - [rippledサーバーの管理](manage-the-rippled-server.html) - **リファレンス:** - [rippled APIリファレンス](rippled-api.html) - [Ripple Data API v2](data-api.html)